特定健診・保健指導

特定健診・特定保健指導について

1年に1度、特定健診を受診し生活習慣の改善が必要な方は、保健指導を受けましょう。

特定健診とは

生活習慣病の予防のために、対象者(40歳~74歳)の方にメタボリックシンドロームに着目した健診を行います。

特定保健指導とは

生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による生活習慣病の予防効果が多く期待できる方に対して、専門スタッフ(保健師、管理栄養士など)が生活習慣を見直すサポートをします。

生活習慣病はなぜこわい?

気づかぬうちに、がんや心臓病、脳卒中などの深刻な病気に生活習慣病とは、偏った食生活や睡眠不足、運動不足、喫煙、ストレスなどの積み重ねが原因となって発症する、がん(悪性新生物)、心疾患(狭心症や心筋梗塞などの心臓病)、脳血管疾患(脳梗塞やクモ膜下出血などの脳の病)といった様々な病気のことを言います。

生活習慣病は、日本人の死因の半数以上を占めています。特に、がんは30年以上連続で日本人の死因の第1位となっています。また、がんに次いで多い死因である心疾患や脳血管疾患は、動脈硬化が要因となる病気です。特に、お腹の周りの内臓に脂肪が蓄積した「内臓脂肪型肥満」に糖尿病、高血圧症、脂質異常症といった病気が複数重なると動脈硬化を進行させ、こうした命に関わる病気を急速に招く危険性が高まると言われています。

このように内臓脂肪型肥満に加えて、これらの病気の危険因子をいずれか2つ以上併せ持った状態を「メタボリックシンドローム」と言います。なお、メタボリックシンドロームが強く疑われる人あるいはその予備群と考えられる人は男女とも40歳以上から増加し、男性では50歳以上で半数以上、女性も60歳以上で5人に1人という割合に達しています。(「平成30年国民健康・栄養調査報告書[PDF]」 より)

初期の生活習慣病は特に自覚症状がないことが多いため、いつの間にか病気が進行してしまう危険があります。そのため、定期的に健診を受けて自分自身の健康状態を常に正しく把握することが、生活習慣病の早期の発見・治療に重要です。

生活習慣病の予防や早期治療につなげるために、職場や地域では、メタボリックシンドロームに着目した「特定健診(いわゆるメタボ健診)・特定保健指導」を毎年実施しています。健診(検診)は、健康なうちに受診してこそ意味があります。「時間がない」「元気だから大丈夫」などと考えず自分の健康のため、ぜひ定期的に受診してください。

「特定健診・特定保健指導」って?

メタボリックシンドロームに着目した健診と生活改善のための指導です。
「特定健診・特定保健指導」は、メタボリックシンドロームに着目した「健診」によって生活習慣病のリスクを早期に発見し、その内容を踏まえて運動習慣や食生活、喫煙といった生活習慣を見直すための「特定保健指導」を行うことで内臓脂肪を減少させ、生活習慣病の予防・改善につなげるものです。

受診する皆さんにとっての具体的なメリットは次のとおりです。
• 自分自身の健康状態を把握
• 健診結果を踏まえ、現在の健康状態にあったアドバイスなどが受けられる
• 疾病予防によって、いつまでも健やかな生活を送ることにつながる

対象となるのは、40歳以上75歳未満の方です。
「特定健診・特定保健指導」は、職場や地域で、毎年実施されていますので、対象となる方は必ず受けるようにしましょう。

Q 対象となる人は?

40歳以上75歳未満の医療保険加入者が対象です。
会社員や公務員の方など勤務先で行われる健診を受ける場合、健診項目に特定健康診査も含まれていますが、それ以外の方については別途、加入している医療保険から受診券や受診案内が届きますので、指定の実施場所で受診する必要があります。詳しくは、加入している医療保険に確認してください。

Q 検査項目は?

以下の項目について検査が実施されます。

基本的な健診の項目 質問票(服薬歴、喫煙歴等)
身体計測(身長、体重、BMI、腹囲)
理学的検査(身体診察)
血圧測定
血液検査
   脂質検査(中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール)
   血糖検査(空腹時血糖またはHbA1c、やむを得ない場合には随時血糖)
   肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)
検尿(尿糖、尿蛋白)
詳細な健診の項目 心電図検査
眼底検査
貧血検査(赤血球数、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値)
血清クレアチニン検査
※一定の基準の下、医師が必要と認めた場合に実施
Q メタボリックシンドロームの診断基準は?

以下の2つに該当する場合、メタボリックシンドローム該当者または予備群と診断されます。
• 腹囲が基準以上(男性85センチメートル、女性90センチメートル)
 ※内臓脂肪面積の測定ができる場合には、男女ともに内臓脂肪面積が100cm²以上
• 血圧、血糖、脂質の検査値が規定値以上
メタボリックシンドローム

Q 特定健診を受けた後は?

受診して約1~2か月後、医療機関から健診結果およびそれを踏まえた生活習慣の改善に関する情報が届きます。そこで、生活習慣病のリスクが高いと判定された場合 ()、加入する医療保険から特定保健指導の実施に関する案内も送付されます。
メタボリックシンドロームの診断基準と特定保健指導の判定基準は異なります。

健診で生活習慣病のリスクが高いと判定されたら?

専門家による特定保健指導によって、食生活や運動などの生活習慣の見直しを生活習慣病のリスクが高いと判定された場合でも、普段の生活習慣を改善することによって、生活習慣病の予防や健康状態の改善が可能です。

そこで、特定健康診査の結果を踏まえて生活習慣病の発症リスクが高い方に対し、医師や保健師、管理栄養士などによって対象者一人ひとりに合わせた生活習慣を見直すためのアドバイス(特定保健指導)が行われます。その内容は、リスクの程度(血圧、血糖、脂質、喫煙歴など)に応じて「動機付け支援」または「積極的支援」の2つがあります。

支援の流れは次のとおりです。 支援の流れ

対象となる方は、特定健診を受け、健診結果をきちんと確認し、健康増進に努めましょう。
もし、特定保健指導の対象になった場合は、自分自身の生活習慣を見直す“きっかけ”になると受け止め、ぜひそれを役立てるようにしましょう。

 

一番上に戻る